神戸新聞
▼市西宮 リード守れず 2点先行「努力の結晶」示す
最終ラインから細かくつないでゴールに迫る。市西宮は、築き上げたパスサッカーで試合を支配し、前半13分までに2点を先行した。「これで国立にいけると思った。みんなどこかに気の緩みがあったと思う」と帷(かたびら)主将。その瞬間、旋風が止まった。
球際の守備が甘くなり、時間とともにこぼれ球を拾えなくなった。執拗(しつよう)にロングボールで攻められ、帷は「前後の動きが多くて疲れた」と振り返った。
誤算もあった。3回戦で右太もも裏を痛めていた指田が後半23分に交代。前線でボールを収められる選手を失い、攻め手を欠いた。さらに、大会直前に左足甲を負傷したGK中野も、足を気にして飛び出しをためらう場面が目立ち、セットプレーから2点を失った。
最後は競り合いの弱さを突かれたが、それでも全国を驚かせた快進撃が色あせることはない。大路監督は「夢をかなえてくれた選手たちには、感謝しかない」と涙した。
勉強と両立させ、集中して短い練習時間に全力を尽くしてきたイレブン。序盤の攻勢は「市西サッカー」の結晶だ。難波祐は「短い時間だったけど、目指してきたサッカーを全国で表現できて楽しかった」と胸を張った。
3年生9人には、14日にセンター試験が待つ。「相当きついけど、二つ目の目標だから、できる限りやりたい」と後藤。「努力が奇跡を生む」というチームのスローガンを胸に、今度はもう一つの戦いに挑む。
▼エースの後藤 3戦連続得点
美しい軌道を描いた。1‐0の前半13分、大道からパスを受けた市西宮の後藤がエリアやや手前で右足を振り抜く。ボールは巻きながらキーパーの手をかすめ、ネットに吸い込まれた。
今大会は3試合連続の4得点。指田の先制点も後藤のシュートのこぼれ球を押し込んだもの。勝利にはつながらなかったが、エースとしての存在感は十分見せつけた。
将来のプロ入りも視野に入れる背番号10は「全国で得られた経験はでかい」と語る。ただ、満足はしていない。「3点目を早く取らなあかんかったし、後半は全然動けなかった」と、自らの課題を真摯(しんし)に見つめた。
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