神戸新聞
「海外からのオファーは最後と思う。自分を試す」。定位置を約束された神戸の慰留を振り切り、スペインに続く2度目の欧州挑戦を決意。だが、初優勝を支えたFW陣の中で出番が少なく、無得点に終わった。
コンディションを落とせば、最大の夢であるW杯の代表入りも逃す恐れがある。出場機会を求めて復帰を望む大久保の意向を受けた神戸は、ウォルフスブルクに再獲得を打診し、ネックだった移籍金でも折り合った。
W杯予選や親善試合でも本来の切れがなく、安達貞至社長は「試合勘が戻っていないと感じた。活躍の場を設けてあげなければ」と説明する。
アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を目指す神戸にとって頼もしい戦力。スピードと技術、闘争心を備え、カイオジュニオール監督の攻撃的な戦術にも適応可能だ。ACL出場条件はJ1で3位以内だが、現在11位と苦戦。指揮官は「よりオフェンシブなチームがつくれる」と、反攻への切り札と期待した。
負けん気が強い性格だけに、レギュラーが取れず短期間で退団することには迷いもあっただろう。その選択が正しかったことを示すには、ピッチ上で結果を出すしかない。
▼「ポジションこだわらず」
大久保は報道陣に対し「試合に出ることが一番」と何度も繰り返した。その意思をかなえるための前向きな移籍だからだろう。表情は明るかった。東京都内で三木谷浩史会長へのあいさつを終えると、試合出場が待ちきれない様子で「明日でもできる。点を取ってチームに貢献する」と意気込んだ。
ドイツで出場機会に恵まれず、代表戦で試合勘の鈍りを痛感。「すごく心配になった」と打ち明ける。挑戦半ばでの復帰に「恥ずかしいと周りは言うかもしれないが、プライドよりも試合に出ることの方が大事」ときっぱり。欧州チャンピオンズリーグのひのき舞台に立つチャンスも捨てた。
ドイツで大柄な選手たちにもまれ、「体の使い方を学んだ」と自信も深めた。今季の神戸をみて「いい選手がいるので生かされ、生かしつつできれば」と合流を楽しみにする。背番号50は「誰もつけていないから」とこだわりはなく、ポジションも「どこでもいい」。ピッチで躍動することだけに集中している。
デイリー
▼大久保、出戻り神戸正式決定!21日即復帰へ
J1神戸は16日、ドイツ1部ウォルフスブルクからFW大久保嘉人(27)を完全移籍で獲得したと発表した。移籍金は180万ユーロ(約2億4000万円)で、年俸6000万円、契約期間は2年半の複数年契約(いずれも推定)。今年1月以来、半年での古巣復帰となったが、同日、東京・品川区の楽天本社で会見した大久保は「プライドを捨ててやる」と、一からの出直しを誓った。17日の練習からチームに合流し、早ければリーグ戦が再開となる21日の広島戦(広島広)が、いきなりの復帰戦になる。
わずか半年での復帰には確かに賛否両論がある。会見では「恥ずかしくはないのか」という質問まで飛んだ。しかし、決断を下した男の目は、しっかりと前だけを見据えていた。この日、黒いスーツ姿で会見に臨んだ大久保は「半年間いい経験ができたと思うし、ACLという目標を実現できるように頑張りたい」と、よどみない口調で言い切った。
大久保自身、異例のスピード復帰に迷いはあったという。ドイツで試合に出られない日々が続いた中、熱心にチームに誘ってくれたマガト監督が突然、シーズン後の退任を発表。5月上旬、代理人を通じて神戸に復帰を打診した。ウォルフスブルクは今季リーグ初制覇を成し遂げ、残留すれば欧州CL出場の可能性もあったが「すごく悩んだ。自分の中で不満があったというか、自分に対して、サッカーに対して喜びを感じられなかったのが大きい。それはW杯どうこうよりもね」と、何より選手として試合出場への渇望が、復帰へと駆り立てた。
年俸は前回所属時とほぼ同額。ウォルフスブルク時代の1億2000万円から半減となったが迷うことなく受け入れた。周囲の雑音をかき消すように「恥ずかしくはない。恥ずかしかったら帰ってこない。海外に行きたくても行けない選手もいる。周りは色んなこと言うかもしれないけど、プライドを捨ててやる」と、悲壮感を漂わせた。
神戸の和田チーム統括本部長によれば、17日の正午までにドイツから、日本サッカー協会に移籍証明書が届けば、リーグ再開初戦となる広島戦(21日・広島広)に出場が可能となる。「自分としてはいつでも行けます」。自ら選んだ背番号は50。Jリーグで付けることの許される最も大きな数字を背にして、ストライカーの“裸一貫”の挑戦が始まる。
ニッカン
▼大久保が神戸復帰、年俸下げても出番を
日本代表FW大久保嘉人(27)がブンデスリーガ・ボルフスブルクから神戸へ復帰した。神戸が16日に発表。大久保は都内の楽天本社に神戸・三木谷浩史会長を訪ね、復帰を報告した。12年1月までの2年半契約で、年俸はドイツ時代から半減以上の8000万円(推定)となった。背番号は50番で、17日からチーム練習に合流。登録が間に合えば、21日の広島戦(広島ビ)で復帰する。
大久保の目は名誉挽回(ばんかい)に燃えていた。今年1月、神戸の残留要望を蹴って欧州挑戦したが、わずか6カ月で戻ってきた。ドイツではリーグ戦9試合に出場し、無得点。年俸2億円(推定)で結んだボルフスブルクとの契約が11年6月まで残っており、チームは来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を得ているため、残留の選択肢もあった。しかし、恥を忍んで、年俸を半分以上下げても、出番を求めて古巣復帰を決意した。
大久保 プライドを捨てた。恥ずかしいと思ったら帰ってこなかった。ドイツでは先発チャンスがあまりなくて、自分でサッカー勘が落ちているのを感じていた。神戸で試合に出続けて、試合勘を戻して、来年の南アフリカW杯に向かいたい。
神戸から復帰の打診を受けたのは4月中旬。悩む日々が続いたが、復帰の決定打となったのは、日本代表として臨んだ親善試合のベルギー戦だった。「熱を出したせいもあるけど、体力が続かないし、シュートの感覚も鈍かった。このままでは代表にも生き残れないと思った」。試合直後に、神戸に復帰の気持ちを伝えた。
神戸からボルフスブルクへの移籍金は、1月の移籍時とほぼ同額の約3億円だ。「僕のために大金を払ってくれた神戸に恩返ししたい。得点とアシストをできるだけ多く決めたい」。神戸にスムーズに溶け込むため、W杯アジア最終予選カタール戦(10日)後、今季神戸の試合DVDを見て、研究をしてきた。移籍証明書到着などの手続きが順調に進めば、21日の広島戦から出場する。
スポニチ
▼神戸復帰の大久保に「恥ずかしくないか」
神戸は16日、ドイツ1部ボルフスブルクから日本代表FW大久保嘉人(27)を完全移籍で獲得したと発表した。今年1月以来の復帰。複数年契約で推定年俸5000万円。背番号は50。17日に合流し21日の広島戦から出場の予定だ。
三木谷会長同席の下、都内の楽天本社で会見した大久保は「また神戸に帰って来られてうれしい。このクラブでタイトルを獲りたい」と語った。ボルフスブルクではリーグ戦出場9試合で無得点。チームはリーグ優勝したが「自分の中で(優勝の)喜びを感じられなかった」という。契約は11年6月まで残っていたが、来年のW杯を見据え、神戸に復帰し出場機会を得た方が得策と判断した。
背番号50を選んだのは「(Jリーグ全体で)誰もいないと思ったから」。わずか半年での復帰に会見では「恥ずかしくないか」と批判的な質問も出たが「恥ずかしかったら帰ってこない。プライド捨ててやらないと」と決意をにじませた。
スポーツ報知
▼大久保、最短21日デビュー
神戸は16日、ヴォルフスブルクから日本代表FW大久保嘉人(27)を完全移籍で獲得したと発表した。年俸は7000万円(推定)で、契約期間は2年半と見られる。背番号は50に決定した。この日、都内で会見した大久保は「試合に出ていないと、試合勘は間違いなく落ちる」と復帰の理由を語った。
和田昌裕チーム統括本部長によれば、順調ならば17日に国際間移籍に必要な国際移籍証明書が日本協会へ届く予定で、19日に承認がおりれば復帰戦は最短で21日の広島戦(広島ビ)になる見込みだ。ドイツでのリーグ戦終了後は代表招集と、シーズンオフがほぼない状況だが、大久保は「今回、5日くらい休んだんで全然いけます」と出場へ意欲的な姿勢を見せた。
三木谷浩史会長は「もろ手をあげて喜んでいる。何なら今から残り(試合)で得点王でも」と、J1通算149試合で64得点を挙げた大砲に期待を寄せた。「周りは恥ずかしいと言うかも知れないが、そう思ったら帰ってこない。プライドは捨てる。このクラブでタイトルを取りたい」と大久保。クラブと2010年南アフリカW杯での大活躍を目指し、17日にチームに合流する。
サンスポ
▼大久保、神戸復帰!背番号は「50」に
J1神戸は16日、ブンデスリーガ・ウォルフスブルクの日本代表FW大久保嘉人(27)の移籍加入が決まったと発表した。ことし1月以来の復帰となる。背番号はJリーグ規定最大の「50」をみずから選んだ。
この日は東京都品川区の楽天本社を訪問。三木谷浩史会長(44)へあいさつ後、「ドイツでは試合に出てなくて、試合勘のなさを感じていた」と復帰理由を説明した。11年6月末まで契約が残っていたが、ドイツでのリーグ戦出場は9試合だけ。南アW杯の日本代表選出を目指すには、常時出場が必須となる。
契約期間は11年1月末までの1年半、年俸は昨季神戸在籍時と同じ6000万円(推定)。17日に練習に合流し、事務的手続きが順調に進めば、21日の広島戦(広島ビ)から出場する。
▼大久保、出場機会確保のため早期の復帰を選択
大久保のウォルフスブルクとの契約は2011年6月末まであった。だが来年に迫ったワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場するためには、海外で控えに甘んじるより、神戸に復帰して試合出場の機会を得た方が好都合と判断したのだろう。
大久保は「成長したい」という意思を貫きドイツへ渡ったが、まったく結果を残せず、わずか半年で戻ってきた。ウォルフスブルクはライバルFWが絶好調。定位置確保はおろか、リーグ戦出場は9試合にとどまり、無得点。リーグ初制覇には貢献できなかった。
元来、海外への移籍志向が強く、04~06年にはマジョルカ(スペイン)でプレーしたが、当時もリーグ戦2得点で構想外になっている。DFの裏に飛び出すスピードに非凡さはあるが、決定力や競り合いへの強さという点では物足りなさが残る。
今回の復帰について、神戸の関係者の中には「実力で先発の座を奪い取るという気持ちはないのか。出場できないので、半年で戻る。それでいいのか」という厳しい声があるのも事実だ。それらを承知の上で、神戸の安達貞至社長は「日本サッカー界のため、大久保が出場できる環境をつくってあげたい」と擁護している。大久保は恩返しをせねばなるまい。

