神戸新聞
▼策ずばり 神戸快勝 遠藤マーク G大阪のパス封じる
策がずばり当たった。アジアを制したG大阪の華麗なパスワークを、神戸は綿密なスカウティングで打ち破った。パス巧者をそろえる相手の中盤をいかに封じるか。「非常に時間をかけて分析した」というカイオジュニオール監督は、キックオフ前のミーティングでバイーアに一つの仕事を与えた。
「遠藤につけ」。ボールタッチ数が突出して多い日本代表の司令塔を徹底マークした背番号8は、G大阪から攻めのリズムを奪った。
また、G大阪の高いDFラインも狙い目だった。「裏のスペースにパスを出してチャンスをつくることを、練習から意識した」とボッティ。シンプルな縦パスを2度決めた茂木は「試合前からのイメージ通り」と、したり顔で振り返った。
今季から攻撃的なパスワークを志向する神戸が、カウンターで白星を挙げた。毛色の違うプレースタイルを、宮本主将は「チームの強みと認識していければ」と評価。指揮官も「今後は相手に応じてシステムやメンバーを使い分ける」と明言した。新生神戸は戦術の引き出しを確実に増やしていく。
デイリー
▼ツネ様 恩返し星!鉄壁守備で古巣撃破
ユース時代を含め、15年在籍した古巣との戦いに勝利。それでも試合終了の瞬間、宮本はいつもと同じように、ホッとした表情で汗をぬぐうと、少しだけ笑みを浮かべて、仲間たちとのハイタッチに向かった。胸に去来したのは特別な感慨ではなく、単純に勝利の喜びだった。「ガンバというよりも、連勝できて良かった、という思いの方が強かったですね」。神戸の主将として、責任を全うできた充実感が全身を包み込んだ。
最終ラインでの存在感が光った。失点の場面こそFWレアンドロのスピードに振り切られたが、その他の1対1の場面では、粘りのDFで何度もボールを奪取。大型FWチョとの空中戦でもしっかりと競り勝った。「試合までには不思議な感覚があった。対戦するのは初めてだったから。でも始まったら、しっかり倒すべきチームとして見ることができた」。アジア王者にまで成長した古巣を相手に、大きな壁として立ちはだかった。
試合前には1人でG大阪のスタンドにあいさつに向かった。ブーイングは覚悟していた。しかし、返ってきたのは拍手と歓声だった。「純粋に帰ってきたのであいさつをと思って。温かい対応をしてもらった。純粋にうれしかったですね」。自分を育ててくれたクラブへの恩を、自らの最高のプレーで痛烈に返してみせた。
今季初の連勝で、チームは7位にまで浮上した。「1点に抑えたことより、ボール奪った瞬間からすぐにアクションを起こしたことで3点取れたことに成長を感じる。このチームは、もっともっと良くなる」と宮本。古巣との戦いで確かに感じ取ったチームの“進化”。その中心には、身も心もクリムゾンレッドに染まったツネ様がいる。
ニッカン
▼神戸宮本が古巣G大阪戦に勝利
ツネ様が古巣との初対戦で勝利をつかんだ。DF宮本恒靖(32)を中心とした神戸守備陣が、強力攻撃陣のG大阪相手に1失点に抑えた。試合が始まれば、感慨はない。後半38分にはMF遠藤からボールを奪い、オーバーラップを仕掛け、追加点を奪いにいく姿勢を崩さなかった。「1点は取られたけど、レアンドロには1人がマークして、1人がカバーするという形を取れたのが良かった」と振り返った。
試合前日には守備陣で集まり、G大阪対策を練った。試合開始前にはG大阪サポーターの前にあいさつにいくとブーイングは起こらず、大きな拍手で迎えられた。「全員が気持ちのこもったプレーをしていた。こういう試合を続けていきたい」と言い聞かせた。古巣からの勝利を励みに、7位に浮上したチームを最後尾から押し上げていく。
▼神戸茂木、構想外からエースへ
25歳の苦労人の2発で、神戸がG大阪との「阪神ダービー」に3-1と快勝した。今季サイドバック(SB)からFWに再転向した茂木弘人が、前半11分に先制ゴール。1-1と追いつかれた同26分には決勝弾を決めた。08年2月に右アキレスけんを断裂。出番にも恵まれなかった男が、2戦連発弾でヒーローになった。神戸は今季初の2連勝で前節12位から7位に浮上した。
つらかった日々が、すべて吹っ飛んだ。前半11分、左サイドにいたFW茂木が、MFボッティがボールを持つと同時に全速力で走りだす。ロングパスを受けると相手DFをかわし、豪快に先制弾を突き刺した。1-1の同26分にはMFアラン・バイーアのスルーパスからゴール前に抜け出し冷静に決めた。プロ初の1試合2得点。「裏を狙うのは狙い通り。本当にいいパスをくれた。感謝するだけです」。人柄を表すかのように、謙虚に喜びを表現した。
J2だった06年は37試合で無得点。07年にFWからSBに転向の憂き目にあった。だが、同11月24日のG大阪戦(万博)で同点ゴールを決め、相手の優勝の可能性を消滅させた。SBとして自信をつかみ、意欲を胸に新シーズンに臨んだ矢先に悲劇は起こった。昨年2月のグアム合宿中、右アキレスけんを断裂。全治6カ月と診断された。同年はプロ入り初の出場機会なし。孤独なリハビリを黙々とこなした。
今でもリハビリ中に記したノートを読み返すことがある。計10冊以上。復帰に向けてこなしたすべてのメニューが、そこには書かれてある。そして今年2月のグアム合宿、普段は控えめな男が「もう1度FWで勝負したい」とカイオジュニオール監督に直訴した。指揮官の判断は「当初は構想外だった」。ところがFWの駒不足もあって、テストの意味で11日の横浜戦(ニッパ球)で先発の座を獲得。2万人以上が集まった「阪神ダービー」でヒーローになるまで駆け上がった。
2節前の第5節にはJ2降格圏の16位に沈んだが、茂木の2戦連発の活躍で7位まで順位を上げた。ACL出場権獲得というチーム目標に向け、次節29日はJ王者鹿島とアウェーで戦う。「これからはFWとしてチームに貢献していきたい。ここからが勝負。これを続けていかないと意味がない」と茂木は気を引きしめる。大久保がボルフスブルクに移籍して得点力不足を露呈した神戸だが、港町の新エース誕生の期待が一気に高まった。
スポニチ
▼神戸・宮本「古巣封じ」に成功!2連勝で7位浮上
今季初めて2万人を超える観衆を集めたホームズスタジアムに、歓喜の渦が起こった。アジア王者との大一番。何より古巣との初対決だった。相手に敬意を示しながら、勝利の味を宮本はこう振り返った。
「古巣との試合は初めてだったけど、冷静に入れた。レベルの高い相手とやることのおもしろさを感じました」
キーマンの動きを止めることが、ガンバの超攻撃を封じるカギとなった。カイオジュニオール監督が「相手のストロングポイントを消す」と攻略法を明かしたように、攻撃の起点となるMF遠藤をMFバイーアがマンツーマンマーク。指揮官も「ディフェンス力が落ち着いてきた」と手応えを口にした。バランスの取れた守備はこの1週間、練習後に話し合いを重ねてきた結果だった。
「(日本に)帰ってきたのであいさつに行こうと。拍手というか、温かい対応がうれしかった」
試合開始1時間前だ。12年間、育ててくれたクラブへ、あいさつと感謝の気持ちを示した。クリムゾンレッドのジャージーを着た宮本が、1人ピッチへ駆け出す。青く染まるガンバサポーターの前で立ち止まり頭を下げた。スタンドから自然とわきあがる拍手。そして試合では変わらぬ実力を示して守備陣を統率し、最終ラインを守りきった。
ホームでは今季初となる2連勝で一気に7位浮上。07年以降、ガンバとのリーグ戦負けなしも継続だ。主将はヒーローインタビューで誓った。「気持ちのこもったプレーが多かった。連戦もみんなで乗り切っていきたい」。次戦は中2日で29日、昨季リーグ王者の鹿島戦(カシマ)。この勝利を弾みに、神戸の勢いはまだまだ加速していく。
スポーツ報知
▼神戸・宮本、古巣封じで初連勝
“阪神ダービー”はツネ様が古巣に強烈な“恩返し”を食らわせた。神戸は主将の元日本代表DF宮本恒靖(32)の好守が光り、G大阪自慢の攻撃力を封じ込め3―1と快勝。今季初の連勝で順位を7位に上げた。G大阪は大黒柱の日本代表MF遠藤保仁(29)が封じられ、対神戸戦5試合未勝利となった。
郷愁は消し去った。ただ勝利のために、宮本はピッチに立った。そして、古巣に痛烈な恩返しを見舞った。「試合前は高ぶるものがあった。ホームだし、どうしても勝ちたかった」ユース時代から、約15年過ごしたチームとの初の対戦。快勝で飾った主将の表情は、充実感でいっぱいだった。
熱い気持ちとは裏腹に、ピッチでは冷静なプレーを見せた。FWレアンドロを複数のプレスで囲い込めば、前半9分の1対1では足を投げ出してドリブルをブロック。185センチのFWチョとの空中戦でも、176センチの体を張った守備で動きを封じた。「空中戦に弱い」という評判も、完全に封じ込めた。
CKではDFパクを徹底マークした。187センチの韓国代表に後半6分、ゴールポスト直撃のヘディングシュートを見舞われたが、運も味方した。「マークがハッキリすれば大丈夫と思った」完封こそ逃したが、アジア王者を抑え込んだ。
3シーズンぶりのJ復帰。日本代表でもキャプテンマークを巻いた男が、地道に溶け込もうとした。前所属のオーストリア・ザルツブルクのスポンサーである、清涼飲料水会社から、神戸のクラブハウスには、今でも月に一度は数ケースのスポーツドリンクが送られてくる。「向こうでは練習中に飲むこともあったから」それを仲間に配って回った。そんな気遣いが、イレブンの心をつかんだ。
日本代表MF遠藤をMFアラン・バイーアのマンマークで抑え込む、カイオ・ジュニオール監督(44)のタクトもさえ渡った。今季初の連勝で7位に浮上。「今日できた攻撃の形を、チームの強みにしていければ」とツネ様。文字通りの「主将」に率いられ、神戸が上昇気流に乗る。
▼神戸・茂木2発!ガンバキラーだ
FW茂木が勝利の立役者だ。「DFの裏を抜けるイメージはありました」前半11分、右足で先制ゴールを挙げると一度は追いつかれたが、26分には再び右足から追加点。
昨年はキャンプで右アキレスけん断裂の影響で、リーグ戦出場はゼロ。今季は当初、サイドバックだったが、本職のFWでのプレーを直訴し、先発の座を勝ち取った。07年のG大阪戦では、終了直前の同点弾で優勝を消滅。ガンバ・キラーは、健在だった。
▼神戸・松岡、夢は高校教師で“国立”行き
神戸・MF松岡亮輔(24)が存分に持ち味を発揮した。「手応え? 今日の出来では…」と口を濁したが、豊富な運動量と厳しいマークで相手の中盤を遮断。オーバーラップからのミドルシュートもサポーターを十分に沸かせた。
頭の中には、将来のプランがすでに描かれている。「日本史を教えながら、いつか部員を選手権に連れて行きたいですね」日本史の高校教師としてサッカー部を率い、全国高校サッカー選手権出場を果たすのが夢だ。
中学入学から6年間、C大阪の下部組織でプレーしながらトップ昇格は逃した。「落ちるなんて想像できなかった」高3の8月から慌てて進学先を探し、練習参加を経て決まったのが阪南大。スタートは4軍だったが、1年から頭角を現しレギュラーを獲得。活躍する姿が神戸スカウトの目にとまり、2007年に入団した。
不本意な形での進学ながら、得たものは大きかった。「すんなりプロになっていたら、きっと今の自分はなかった」一度挫折を味わったことで、覚えたのはプライドを捨てがむしゃらにプレーすること。ピッチを動き回って相手を封じ込める「つぶし屋」のスタイル形成は大学にあった。
「大学に行くなら何か資格でも取ろう」と、軽い気持ちで組んだ教員免許のカリキュラム。暗記が得意という理由から好きになった日本史を選択、見事免許を取得した。卒業後、Jリーガーとなり勉強から離れたことで再び魅力にとりつかれた。
今は一般向けの分かりやすい歴史書を読むのが趣味。最近の愛読書は「昭和史」だ。「戦争に至ったきっかけとか、改めて読むと興味深いですね」と目を輝かせる。雑草魂で生き抜いてきたボランチが夢を現実にする十何年後まで、今はがむしゃらにプレーし続ける。
サンスポ
▼神戸・ツネ様、古巣を撃破「面白かった」
神戸はG大阪を3-1で下し、今季初の2連勝で7位に浮上。DF宮本恒靖(32)を中心に、ガンバの強力攻撃陣を封じた。
快勝を告げるホイッスルと同時に、自然と両こぶしを握った。神戸サポーターの歓喜。宮本が満足げにほおをゆるめた。
「古巣との対決は初めてだったんで最初はどうなるかと思ったけど、面白さがあった」
ユース時代も含め、15年間在籍したG大阪との決戦に気負いはなかった。前半10分、前神戸のFWレアンドロとの1対1では突破を許さず“古巣対決”で先勝すると、直後の11分にFW茂木の先制点が生まれた。
「スピードに乗せないように、1人が対応している間に2、3人目がフォローする形で激しくいけた」。試合前日、帰り支度を終えたDF陣を呼び止めてまで確認したレアンドロ包囲網が機能した。15分に同点弾を許したが、その後は仕事をさせずにサイドへ追いやった。
試合前にケジメをつけた。キックオフ1時間前、G大阪サポーターが陣取るスタンドに駆け寄って一礼。割れんばかりの拍手に「帰ってきたんであいさつをしようと思った。温かい対応は純粋にうれしかった」。心の隅にあった戸惑いが消え、リーグ2位の15得点を誇る相手の攻撃陣を最少失点で抑えた。今季初の連勝にカイオジュニオール監督は、「今後の手応えを感じられる試合だった」と胸を張った。
「攻守の切り替えがうまくできたし、チームの成長を感じる」
ツネ様が先頭に立つ新生・神戸が、阪神ダービーで上昇気流をつかんだ。
