神戸新聞
▼神戸 闘志空回り ミスで失点、最終戦飾れず
今季の終了を告げるホイッスルが響くと、スタジアムは静まりかえった。寒風吹きすさぶピッチに、神戸イレブンは1人、また1人と崩れ落ちた。
最終戦に懸ける気持ちは強かった。松田監督の退任が決まり、J2時代を戦った栗原らがチームを去る。大久保主将もドイツ1部リーグ・ウォルフスブルクに移籍する可能性がある。大久保は仲間の思いを代弁し、「このメンバーで試合をやるのは最後。勝ちたいね」と戦前に語っていた。
だが、ゲーム内容はほろ苦かった。立ち上がりから持ち味の堅守を発揮したが、決定機は生まれない。「気持ちが入りすぎていた」と松田監督。後半13分に無回転で沈むポポのFKを、榎本がそらして先制を許した。3分後にはポポのFKがDFの頭に当たり、ゴールに吸い込まれた。小競り合いを仲裁した田中が退場するなど後味が悪かった。
「カウンターに磨きがかかって、自信がついた1年だった。でもこんな試合になって残念」と悔しさをにじませた大久保。強豪への足がかりを築いた1年は、不本意な形で幕を閉じた。
▼平常心保ち 最後の指揮 退任の松田監督
今季限りで退任する神戸の松田監督は、最終戦を勝利で飾れなかったが「故障者が多い中、プレーできる選手が力を合わせてくれた」とイレブンをねぎらった。
一度は続投要請を受けながら1日に退任を告げられ、失意にくれた。だが「最後はホームで勝って、過去最高順位を達成し、サポーターに感謝の気持ちを示したい」。平常心を保ち、勝利を目指した。
神戸をJ1で上位を狙えるまでに底上げした功労者。試合後のサポーターから「松田コール」が起こると感極まり、選手には胴上げされた。来季に向け「ハードワークしか向上の道はない」とエールを送った。
▼「代表クラス獲りたい」 三木谷会長 来季への展望語る
J1神戸の三木谷浩史会長が6日、リーグ最終戦が行われたホームズスタジアム神戸で神戸新聞社の取材に応じ、退任する松田浩監督の後任について「選考は進んでいる。そんなに遠くないうちに発表できるだろう」と話した。
退任を了承した理由について、三木谷会長は「優勝するための準備を進めてほしいという意志はある」としたが「個別の人事については、サッカーのプロである現場の判断」と多くを語らなかった。
三木谷会長が神戸の運営にかかわってから、今季は5年目の節目だった。クラブ史上初の5連勝を記録するなど、戦力の底上げは感じ取っているようで「一定のパフォーマンスができるようになった。土台を作る第1ステージは終わった」と総括した。
また、今後の展望にも触れ「来季の目標は『何位以内』とかじゃなくて優勝。少なくとも、代表クラスの選手も獲得したい」と大型補強の可能性を示し、「常に優勝争いし、世界に通用するクラブをつくる」と意気込んだ。
▼後任は複数の候補から
J1神戸の安達社長は6日、退任する松田監督の後任について「優先順位はあるが、候補は複数いる」と話した。新監督の条件に関しては「(神戸の基本戦術の)4-4-2をベースにしてほしい」とあらためて強調。「(所属している)日本人スタッフを育成してほしい」とも述べた。
デイリー
▼神戸・大久保は悔し涙の最終戦
あふれる感情を抑えきれなかった。試合後、グラウンドには悔し涙を流す神戸・大久保の姿があった。今季最終戦。ドイツ・ウォルフスブルク移籍が正式決定すれば、神戸でのラストゲーム。松田監督体制での最後の公式戦。複雑な思いが交錯する一戦でのふがいない結果に、エースは「ああいう試合になってすごく残念。5位以内という目標があったし、10位という結果に納得していない」と唇をかんだ。
覚悟を持って臨んだ一戦だった。試合前、愛息の碧人(あいと)くんを抱いてピッチに入場。父の戦う姿を、より間近で見せてやりたいという親心だった。「自分が最後とかじゃなくて、今日はチームでいなくなる人たちや、出ていない人たちの分までって気持ちでやっていた」。前半8分にシュートを放つなど、立ち上がりから気迫あふれるプレーを連発。チームも、前半は柏を圧倒していた。
チーム全体が空転し始めたのは後半だった。13分には、普段なら何でもない正面のFKをGK榎本がまさかのトンネル。同16分には、オウンゴールで追加点を許した。17分には焦りからかMF金南一、大久保が連続で警告を受けた。同38分にはDF石櫃(いしびつ)と相手選手が交錯して乱闘騒ぎへと発展し、仲裁に入ったMF田中の手が相手を倒して一発退場を宣告された。
松田監督は「気持ちが入りすぎていてこういう試合になったが、ちょっとでも自分(の監督交代劇)が原因なら申し訳なく思う」と選手をかばった。監督への“惜別星”を誓っていた大久保は「とにかく悔しかった」と繰り返した。「来年のことは全然決めていません」と話したが、移籍への気持ちはもう固まっている。消化不良の最終戦。エースの目に浮かんだ涙が、その無念さを物語っていた。
ニッカン
▼神戸松田監督「充実した仕事を…」
神戸は本拠地最終戦で黒星を喫し、10位に終わった。後半13分にGK榎本のミスもあり、柏FWポポに先制点を献上。その3分後にはオウンゴールで追加点を許した。日本代表のFW大久保嘉人を中心に得点を奪いにいき、終盤には来季の契約を結ばないことを通告されているMF栗原圭介が途中出場して積極的に攻めたものの、最後までゴールを挙げることはできなかった。
大久保は「今年はカウンターに磨きがかかって、チームとして自信をつけた1年だったと思う。それだけに最後に勝てなかったことが悔しい」と話した。
季限りでの解任を通告されている松田浩監督は、雪が舞う中で行われた試合後のセレモニーで「来季は指揮を執ることができませんが、ここにいる選手たちが必死でやってくれることを信じている。充実した仕事をさせてもらった」と涙を流した。
スポニチ
▼神戸・大久保、松田監督の花道飾れず“涙の終戦”
FW大久保の悔し涙で、1年の幕が閉じた。GK榎本のキャッチミスで先制点を許し、オウンゴールで2失点目。今季限りで退任となる松田監督の花道を飾れず、試合後にしゃがみ込み涙を流した。ただ、不可解な判定が多かったことは確かで、MF田中が退場になった際には乱闘騒ぎに。後味の悪い試合となり「乱闘になるなんてありえない」と不満を口にした。これで2年連続10位。ただ、観戦した三木谷会長は「来年は優勝を狙う。(補強も)積極的にいこうということ」と早くもV宣言。ボルフスブルクからオファーが届いている大久保についても「残ってほしい」と思いを口にした。
サンスポ
▼神戸・大久保、11ゴールで今季終える
去就が注目されている神戸の大久保は無得点に終わり、通算11ゴールで今季を終えた。
ドイツ1部リーグのウォルフスブルクから正式なオファーを受けており、神戸でのプレーは最後になる可能性もある試合。4本のシュートを放ったが、ネットを揺らすことはできなかった。試合終了後は目頭を押さえながら、小雪が舞うピッチを後にした。
移籍について本人は「まだです。これからです」と多くを話さなかった。ただクラブ間の交渉は続いており、返事について問われた和田チーム統括本部長は「まだありません」と明かした。
