神戸新聞
▼神戸 痛恨ドロー 終了間際 オウンゴールで失点
このピンチさえしのげば、勝利のホイッスルを聞けたはずだった。後半ロスタイム、横浜Mに与えたフリーキック。ゴール前でクリアしようと競り合ったレアンドロのヘディングが、無情にも自陣のネットを揺らしてしまった。頭を抱えるレアンドロ。あおむけでぼうぜんとするGK榎本。霧が立ちこめるスタジアムで、神戸の選手たちは力なく崩れ落ちた。勝ち点8差の中に6位から16位までの11チームがひしめく大混戦の中位で、この日勝ち点3を取り逃がしたことは、目標の5位以内を達成するうえで、あまりにも痛い。
松田監督は「サッカーにはこういうこともある。受け止めて次の試合に向かう」と話したが、ショックの色は隠せなかった。「あれは事故。レアンドロが悪いとは思わない」と榎本。結果的には、追加点を挙げられなかったことが響いた。
主将の大久保が、10日の練習後に自ら訴え出て中盤の左サイドに下がり、2列目の攻撃の起点をつくろうとしたが、十分に機能するまでには至らなかった。先制ゴールもセットプレーから。大久保は「去年みたいには前に厚みがない。点が入る気がしない」と表情を曇らせた。この15試合、2点目を取れたことは一度もない。
デイリー
▼左MF大久保弾!10・15ウズベク戦任せろ
低迷するチームに、かすかな光が差し込んだ。07年9月15日の千葉戦以来、約1年ぶりに左MFで先発した大久保が即結果を残した。前半ロスタイムのラストプレー。MFボッティの左FKにDF北本が頭で合わせ、一度は左ポストに阻まれた。しかし、そこで大久保が“飛んだ”。全身を投げ出し、左足で食らいついたエースが、先制のゴールネットを揺らした。
「久々に左サイドやったけど、自由にできて良かった。少しキツかったけど楽しかった」。自身5年ぶりの3試合連続弾。警告を受けて次節出場停止になるなど、この日の『左MF大久保』は満点ではなかった。試合も終了間際のオウンゴールが響いて痛恨のドロー。だが、エースの熱い魂は、沈みかけのチームを奮い立たせた。松田監督も「攻守にわたって効いていた」と高評価した。
志願のポジション変更だった。10日の紅白戦後、あまりにふがいない状況に大久保が動いた。松田監督に自ら左MFでのプレーを直訴。「ずっと(ボールが)行ったり来たりだけのサッカーだった。このままではチャンスはない。チームのために左サイドをやりたいと思った」。主将としてチームの勝利に対して何ができるのか-。考えた末の結論だった。
左MF大久保の“歴史”は横浜M戦(日産ス)から始まった。07年3月17日に移籍後初ゴールを含む2得点の活躍。視察に訪れたオシム前日本代表監督にも強烈な印象を残し、その後の代表復帰にもつながった。出場停止明けのW杯アジア最終予選・ウズベキスタン戦(10月15日、埼玉ス)を見据える大久保は「選ばれれば一生懸命やるだけです」と言い切った。背番号13が、同じポジション、同じ場所から、再び日の丸への道を歩みだした。
ニッカン
▼神戸大久保ウズベク戦照準3戦連発
神戸の日本代表FW大久保嘉人(26)が、3戦連発でW杯アジア最終予選ウズベキスタン戦(10月15日、埼玉ス)に照準を合わせた。今季初めて中盤の左で出場。前半ロスタイムに、FKからのこぼれ球を左足ボレーで豪快に決めた。C大阪時代の03年9月13日京都戦以来、丸5年ぶりの3戦連発となった。
ゴールの臭いがする場所に、大久保がいる。前半ロスタイム。FKからのこぼれ球を見逃さなかった。相手DFと小林が競った一瞬のスキをつき、左足でボレーシュートを放った。8月23日G大阪戦で9試合ぶりのゴールを決め、立て続けの3戦連発。日本のエースが、ゴールの感覚を体に染みこませた。
大久保 チャンスは少なかったけどね。点を取るというより、パスを出したり(攻撃を)組み立てたり…。でもボールを多く触れたから、今日は楽しかった。
本職のFWではなく、今季初めて中盤の左に入った。くしくも、ウズベキスタン戦が出場停止になるMF松井と同じ位置。攻撃にリズムを付けるため、志願しての変更だったが「代表でも生きる」と明かした。守備に追われ、前線に飛び込むどころか、ボランチの位置まで下がることもあった。前半26分には速攻を止めようとして警告を受け、累積4枚目で20日清水戦は出場停止。それでもシュート2本でうち1本を確実に決め、決定力の高さを見せつけた。
最高の状態を迎えつつある。出場停止だった6日バーレーン戦は、あえてテレビ放送を見ず「ニュースで結果を見ただけ」だった。3次予選のオマーン戦(6月7日)で自らの愚行で一発退場を受けた悪夢を、思い出したくなかった。しかしウズベキスタンの映像はすでにチェック済みで、分析は欠かしていない。初体験のW杯最終予選に向け、静かに準備を進めている。
残暑が厳しくピッチ上の温度は30度まで上昇した。最後にオウンゴールで同点に追いつかれる展開だったが、田中達に負けない豊富な運動量で90分間走った。視察した日本代表の大熊コーチは「いつもと違う位置で、体力的にキツかっただろうけど最後まで走っていた」と評価した。ウズベキスタン戦は松井だけでなく、田中達も故障で出場微妙。日本攻撃陣に暗雲が漂う中で、大久保が大きな光を放った。
スポニチ
▼神戸・大久保5年ぶり3戦連発でチームに先制点
ポジションは代わっても決定力に陰りはなかった。前半44分、ボッティのFKから北本のヘディングが左ポストを叩くと、こぼれ球に誰よりも速く反応したのは大久保だった。5年ぶりの3戦連発となる左足ボレーシュートを決めて、チームに先制点をもたらした。
横浜M戦を前に大きな決断を下していた。10日の紅白戦後、松田監督のもとへ歩み寄ると、2トップから昨年3月の横浜M戦で初めてプレーしてゴールを量産した左MFへの配置替えを申し出た。「チームのために左サイドをやらせてください」
日本代表のFWとして岡田監督の期待は大きい。その指揮官の気持ちも十分に分かっていたが、神戸の主将としての責任感がポジション変更を決意させた。
後半ロスタイムにレアンドロのまさかのオウンゴールで、勝ち点3はスルリと逃げていった。「これを入れられるんじゃないかな、という気持ちになっている。現状でしょうね」と大久保は天を仰いだ。次節は累積警告で出場停止。つかの間の休養で英気を養って、再びチームと代表のために突っ走る。
スポーツ報知
▼神戸・大久保5年ぶり3戦連発「いい感じになってきてる」
目の前にこぼれてきたボールに、大久保が左足を伸ばした。前半ロスタイム。FKからDF北本が放ったヘディングシュートは、ポストを直撃。DF小林が触れたボールは背番号13の前に。左足を振り抜き、豪快ボレーをたたき込んだ。C大阪時代の03年9月13日の京都戦以来となる3戦連発に「いい感じになってきてるね」と、好調をアピールした。
唯一のチャンスを逃さなかった。「中盤でタメがない。ゴールのチャンスは少ないけど、チームのためにやりたかったから」と松田監督に直訴し、今季初の左の攻撃的MFで出場。守備に追われる時間が長く、放ったシュートは2本。決定的なチャンスは、この1本だけだったが、キッチリと結果を残した。
日本代表の岡田監督にも朗報だ。バーレーン戦(6日)で左MFを務めたMF松井が、ウズベキスタン戦は出場停止。「代表でもあり得る」と自覚するように、大久保が代役になる可能性もある。格好の予行演習で、中盤への適応力を証明してみせた。
今季は、この日まで7得点。8試合連続不発と、不調の時期もあった。20得点を今季の目標に掲げていただけに物足りない数字。「7点とかあり得んよね。今年は、全然決めてない」自らに不満をこぼすこともあった。しかしバーレーン戦は出場停止ながら招集された8月のウルグアイ戦で、心身共に「リフレッシュ」。本来の動きを取り戻した。
チームは痛恨のドロー。自身も、前半26分に警告を受け、次節の清水戦(20日)は出場停止に。それでも「これからも左のほうがいいでしょ。もっと良くなる。今日(の引き分け)はしょうがない」と手応え。完全復調の大久保が、岡田ジャパンを南アフリカに導く旗頭になる。
サンスポ
▼神戸・大久保、エースの風格漂う3戦連続弾
“港町ダービー”で、神戸MF大久保の存在感はさすがだった。前半ロスタイム、混戦から左足一閃。横浜Mの日本代表DF中沢らを相手に、リーグ3戦連続弾だ。
「最後はアンラッキー。まあ、しようがないっしょ」。後半ロスタイムにオウンゴールで追いつかれても、前向き。日本代表・岡田監督に「中心となる選手」と信頼される男は、3試合の出場停止が明ける10月15日の南アW杯最終予選・ウズベキスタン戦(埼玉)へ向け、決定力を示した。
今季初めて左MFで先発。中盤にタメがなく苦戦を続けるチームを救うため、松田監督に直訴した。「FWにいるより全然ボールに触れる。自由にやれて面白かった」。ウズベク戦は左MF松井(サンテティエンヌ)が出場停止。結果的に、代表の不安も払拭した。
日本時間7日未明の同予選・バーレーン戦は不覚にも寝てしまい見逃したが、「3点取って勝ててうれしかった」と喜ぶ。「10月? 選ばれたら一生懸命やるだけ」という姿には、風格が漂っていた。
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