神戸新聞
▼神戸 耐えてドロー 大久保嘉PK先制一瞬
手に入れた「勝ち点1」より、失った2点の大きさに神戸イレブンは一様に悔しがった。どちらにもチャンスがあった。PKでホーム初ゴールを挙げた大久保嘉は「こういう試合を勝てるチームにならないと、これから苦しくなる」と厳しい表情だった。
松田監督は「引き分けは考えなかった」と、1-1の後半途中からボランチに遠藤を投入。コンビを組むボッティに、より攻撃的な位置を取らせた。だが、点を取りに前掛かりになったことで鹿島にスペースを与え、カウンターの応酬になった。サイドを徹底的に突かれ、右サイドバックの茂木は「相手に2対1の場面をつくられ、中盤の戻りを待つ状況になった」と振り返った。
守備の集中力は途切れなかった。シュートの場面では体を寄せて防ぎ、後半36分には鹿島・興梠の突破をトーメがペナルティーエリアの中でタックルで止めた。DFラインを引っ張った北本は「しっかり守れた」と胸を張った。
守備が踏ん張っただけに、流れがある時間帯に点が取れなかったことが悔やまれる。後半開始直後に決定的な場面でシュートを外した近藤祐は「決められなかった僕が悪い」と頭を下げた。松田監督は「負けなかったことを評価して、勝ち点1を次につなげることが大事」と強調した。
▼初先発の内山守備きっちり
神戸の内山が左サイドバックでリーグ戦初先発を果たし、安定した守備を見せた。
「(大久保)嘉人が、攻めることができるように、しっかり守ることを考えた」と内山。守備では同じサイドの大久保嘉とバランスを取り、攻撃ではタイミングのいいオーバーラップを見せた。
昨季レギュラーを張った坪内とポジションを争うが「いつでも自分が出てやろうという気持ちでいる」と意欲的だ。引き分けにも「普通にやれば大丈夫だと分かった」と手ごたえをつかんだ様子だった。
デイリー
▼大久保が志願のPKでホーム初弾!
待ちに待った瞬間だった。「ホームで早く決めたい」。そう呪文(じゅもん)のように唱え続けてきた大久保の今季ホーム初ゴール。前半44分、MFボッティが倒されて得たPKを左隅に沈めると、ホームサポーターに向けて大きなガッツポーズを作り、喜びを爆発させた。
「先制だったし、神戸に来てホームで決めるのは初めてだったからうれしかったっすね」
キッカーはその場で決めた。チーム記録となる5試合連続ゴールがかかったFWレアンドロに対して「オレにけらしてほしい」と珍しく自己主張。志願してまでこだわったホーム初ゴールだった。
ゲーム前には、25日に起こった能登半島地震の義援活動を行った。グッズ収入の一部と、サポーターと共同で企画した募金活動で集まった358601円を被災地へ寄贈する。「神戸もそういうことがあった土地だから、少しでも恩返しがしたいって気持ちがあった」。この日の大久保には、神戸に移籍してきたからこその思いもあった。
チームは前半終了直前に同点に追いつかれ、結局引き分けに終わった。「チャンスあったし、勝てる試合だった。こういう試合で勝っていかないと今後苦しくなってくる」と最後に課題を口にした大久保。本拠地初ゴールを手土産に、次こそはホーム初勝利に貢献してみせる。
ニッカン
▼神戸ドロー、大久保2戦連発
神戸MF大久保嘉人(24)が2戦連発となる「志願のPK」を決めた。鹿島戦の前半44分、エリア内で倒されたMFボッティにキッカーを願い出て、今季ホーム初ゴール。前節のアウエー横浜戦では日本代表オシム監督の前で2得点しており、目標の代表復帰へ1点ずつでも積み重ねていく。試合は1-1で引き分けたが、神戸は3戦負けなしで勝ち点1を手にした。
大久保が、ボッティに頼み込んだ。「蹴らせてくれ」。前半44分のPK。右足でゴール左隅に決めた。1-0と先制。「誰が蹴るとかはなかったけど、何となく蹴りたいと思った」。左MFとして先発したが「FW」としての本能が、ホーム初ゴールにつながった。
3月17日の横浜戦、日本代表オシム監督の前で2得点した。だが、24日ペルー戦には招集されなかった。オシム監督は近い関係者にこう説明したという。「大久保はあくまでFWで呼びたい。(横浜戦の)ゴールは中盤の選手として特長を生かしたもの。中盤なら(中村)俊輔や松井、(中村)憲剛らとの争いになる」。この日はMFとして献身的に守備をする一方で、FWの「エゴ」で2戦連発。代表復帰をアピールした。
松田監督もそんな大久保を後押しする。「彼はオシムの求めるポリバレント(多様性)さを持っている」。期待を感じる大久保も、チームを3戦負けなしへと導く価値あるゴールを決めながら「勝てた試合。満足できない」と気を引き締める。神戸のため、自分のため…。オシムを振り向かせようと、ゴールという結果を追い求めていく。
スポニチ
▼神戸・大久保嘉が“先制弾”能登の被災者に捧げる
一瞬だけ、わがままになった。前半44分、MFボッティが倒されて得たPK。FW大久保嘉はキッカーを主張すると、落ち着いて左スミに決めた。「ホームで点を取りたかった。自分から(蹴りたいと)言った」。地元サポーター、チームメート、そして被災者…。総ての人に捧げる本拠地初ゴールだった。
攻守でリズムをつくり出した。左サイドに入った大久保嘉はバランスを見ながら攻め上がり、チームトップの4本のシュートをマーク。さらに守備面でも前線からのプレスを維持した。「もともと攻撃も守備もできる能力が備わっている」。献身的な動きに松田監督も絶大な信頼感を示した。
勝利へのモチベーションは普段以上だった。試合前、3月25日に発生した能登半島地震の被災者支援のため、選手会はサポーターと協力し、募金活動を展開。さらにクラブ側もグッズの売り上げの一部寄付を決定した。急きょチャリティーサイン会を開催した主将のMF三浦は「映像などを見て、被災者の気持ちは分かる。少しでも役に立ちたい」と話し、大久保嘉も「神戸もいろいろ助けてもらった。恩返ししたいと選手で話していた」と言う。勝ち点は1に終わったが、気持ちはプレーで表現した。
鹿島相手の3年ぶり勝利はならなかったが、終盤の猛攻をしのいで手にしたドロー。「今日は勝てた試合。次につなげられるよう頑張りたい」。すべての人に勇気を与えるため、エースはゴール量産態勢に入る。
スポーツ報知
▼ホーム初!大久保弾
エースがついに、本拠地初ゴールを決めた。前半44分、ゴール前でMFボッティが倒され、PKを得ると、「ホームで点を取りたかった」と神戸MF大久保嘉人(24)はキッカーに名乗りを上げた。右足でゴール左隅に決め、「入るか不安でしたけど、決まって良かった」。今季3点目の先制点に、大きくガッツポーズを作った。
能登にささげるゴールだ。選手の多くが、阪神・淡路大震災を経験している神戸は試合前、能登半島地震義援活動を行い、鹿島サポーターの協力も得て約36万円を集めた。大久保も仲間から当時の話を聞き「神戸の時の恩返しに、ちょっとでも助けられたら」と胸に期する思いがあった。
ただ引き分けで本拠地初勝利はお預け。「勝てる試合だった。勝ちたかった」と残念がった。
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