毎日新聞
▼神戸、J1復帰目指し熱い戦い
サッカーJ2神戸がここ11試合無敗と好調だ。家庭の事情で9月上旬にバクスター前監督が帰国するという緊急事態にも、その後チームは今季初めての首位浮上。志半ばで神戸を後にした指揮官の魂を受け継ぎ、J1復帰を優勝で飾ろうと熱い戦いを続けている。
バクスター前監督は、病気療養中の長女の容体が悪化したためスウェーデンに帰国した。後を託されたのがペドロコーチと松田新監督の2人。37歳のペドロコーチは、英国でのライセンス講習会で講師だったバクスター前監督に見込まれ、一緒に神戸へ。スペイン出身の“弟子”が事実上、指揮を執る。それを支えるのが、02年にも監督を務めた松田監督。今年5月にJ1福岡の監督を退任後、コーチとして神戸に復帰していた。
ペドロ・松田体制に移行したものの、チームはバクスター前監督の方針を受け継いでいる。9月16日の徳島戦で、新体制3試合目で初勝利を挙げたが、ペドロコーチは「以前からやってきた仕事の延長線。何も変わらずにやっているので、新体制初勝利というのはあまり意味がない」と語った。毎日のように前監督と連絡を取り、話し合いながら指導にあたり、「総指揮者はバクスター監督であることに変わりはない」と言う。
バクスター前監督は今季、9年ぶりに神戸の監督に復帰。95年に当時JFLだった神戸の初代監督に就任し、阪神大震災を乗り越え翌年にJリーグ昇格を果たした手腕を持つ。2度目の就任となった今季、J1復帰に向けて取り組んだのは、選手たちの意識改革だった。試合前のミーティングで阪神大震災の写真を見せ、未曽有の天災から立ち直った人々のチャレンジ精神を「神戸魂」と呼び、選手たちに奮起を促したこともあった。
戦術面ではセットプレーの重要性を説きながら、4-3-3の攻撃的布陣を導入。主将の三浦は「シーズン当初はすべてが新しく、バクスター監督のやりたいことを理解するのにも時間がかかった。でも、その人間性を理解するうちに何をすべきかが分かってきた」と話す。
5月までは17試合で7敗と波に乗れず、徳島や草津といった下位チームにも星を落とした。しかし、6月以降はここまで21試合で首位を争う柏に1敗しただけ。13日の湘南戦で引き分けながらも今季初めて首位に立った。「(バクスター)監督がいなくなることに不安はあった。(バクスター前監督が)帰ってきた時に、自分たちの成長を見せることが恩返しになる」とMF田中。シーズンは既に最終クール。バクスターイズムを継承しながら、神戸は1年でのJ1復帰を視野に入れている。
