神戸新聞
▼10人神戸 起死回生 ロスタイム逆転弾
後半ロスタイム。田中がボレーでとらえたボールはゴールネットを揺らした。喜びを爆発させる選手たち。バクスター監督は「マジックは本当に起きた」。神戸は劇的な逆転勝利で今季初の4連勝。家族の事情で退任するバクスター監督のホーム最終戦を飾った。
前半は攻撃の形をつくることさえできず、退場者も出した。しかし後半、三浦が中盤の底に配置されるとプレスが効き、パスもまわり始める。そして同9分、三浦のCKから河本が同点ヘッドを決めると、チームの勢いが増した。後半放ったシュートは前半の倍の8本。数的不利を全員の運動量でカバーし続け、逆転の機会を呼び込んだ。
終了間際、それまで守備的な仕事に専念していた田中が前線に上がる。「攻撃に出るほうが相手が嫌がると思った」と田中。朴康造のシュートが相手に当たってこぼれた球を押し込んだ。
バクスター監督は「こうした戦いをシーズン最後まで実行できれば、私が横に立って指揮をしなくても大丈夫だ」と選手の成長を誇らしげに語った。バクスター監督にとって最後の指揮となる次節の戦いは、勝ち点で並ぶ横浜FCとの直接対決。田中は「勝って監督を送り出したい」。別れのあいさつは勝利しか似合わない。
▼「11月に戻ってくる」 退任のバクスター監督
バクスター監督は、スタンドへのあいさつを済ませた選手を出迎えると、サポーターが待つゴール裏へ駆け出した。止まらない拍手と「バクスターコール」に何度も両腕を突き上げた。そして、日本語で思いを伝えた。
「ご存じの通り家族の事情でスウェーデンに戻ります。しかし、J1昇格のためのヴィッセルのプロジェクトに参加していきます。さよならとはいいません。また、あとで」。スタンドに歩み寄り、サポーターの手を一人一人握っていった。
試合後の記者会見では、「もしかするとスウェーデンで仕事をするかもしれない。それは神戸の一員としてで、私は今までにないことをやろうとしている」とあらためて当地での監督就任の考えを表明。「帰国しても常に試合や練習を映像でしっかり確認する。娘の状態が良ければ(リーグが中断する)11月に戻ってきて、最後のひと押しをやりたい」と約束した。
